ドイツで整形靴職人の資格を取得する価値

日本とドイツの比較

あるんでしょうか?

どうでしょう?

日本にも整形靴を学べる学校はあります。

全国に専門学校としては1校、兵庫県三田市にある医療福祉専門学校の整形靴科。

東京にはフロイデ(Freude)という学校で「マイスターコース」というところでも整形靴が学べます。

どちらもドイツ人の整形靴マイスターが講師としていて、本場の技術が学べる!

というのが売りのようですね。

じゃあ、ドイツに来なくても良くない?となるのか、日本にある2校と比較してメリット・デメリットを考えたいと思います。

期間

ドイツ

3年〜3年半

三田整形靴科

2年

フロイデ マイスターコース

1年

学費

ドイツ

無料

三田整形靴科

受験料+入学金+授業料+実習費

192万円

それに加えて、学友会費・健康管理費・海外研修積立金・教科書代・実習材料費等
(詳細はお問い合わせください)

フロイデ マイスターコース

180万円

ドイツ研修費:40〜50万円

取得できる資格

ドイツ

国家資格:
整形靴職人
(ゲゼレ)

三田整形靴科

民間資格:
シューフィッター
(プライマリー)

フロイデ マイスターコース

ハノーファーの公立靴専門学校で研修を行い、技術が試験官に認められれば、同校認定の認定証書が発行される。
*この認定書はドイツで資格としての効力はありません。

学べること -理論-

科目ドイツ 三田整形靴科フロイデマイスターコース
整形外科学 ○  ○    ○
キャリアガイダンス  ○
リハビリテーション医学  ○
義肢装具学  ○
関係法規  ○
基礎解剖学 ○    ○
基礎生理学 ○
機能解剖学  ○
整形靴概論・理論 ○  ○
足学 ○    ○
スポーツ靴学    ○
靴学 ○  ○    ○
足情報収集論  ○
基本工作論  ○
歩行学    ○
応用科学/材料学 ○    ○
職場の安全衛生保護 ○
環境保護 ○
販売学    ○
店舗運営・経営学    ○
デザイン/パターン/美術  ○    ○
倫理学    ○
ドイツ語・外国語  ○    ○
情報処理  ○
接客 ○

日本の学校の学科はホームページに載っていたものを抜粋したので、それ以外にもあるのかもしれませんが、それぞれ特徴がありますね。

三田の整形靴科は義肢装具士に近く、期間も長いだけあって座学も多い感じ。

フロイデのマイスターコースは、整形靴店として自分のお店を経営することも視野に入れている授業内容。

ドイツの職業学校は、期間は3年〜3年半ですが、学校は週に1回なのと、専門教科以外に、国語・算数・政治経済・宗教・体育の一般科目も入っているので、専門教科に割かれる時間数は他の教科よりも多いものの、日本の学校よりは範囲が少な目。
工房で働くことが前提なので、工房での安全基準・対策、環境保全に対する知識も学びます。

ドイツの職業学校の場合は、専門科目は一人の整形靴マイスターが全部教えます。

学べること -実技-

ドイツ三田整形靴科フロイデマイスターコース
靴修理   ○    ○
健康靴と調整 ○   ○    ○
足底板製作 ○   ○    ○
木型調整・製作   ○    ○
靴製作   ○    ○
靴適合演習   ○    ○
パターンデザイン   ○    ○
製甲製作   ○    ○
整形靴製作 ○   ○    ○
接客販売演習   ○
学外実習/海外セミナー ○   ○    ○
採寸・採型学 ○    ○

技術面は日本の学校ではほぼ同じことを学ぶようです。

ドイツに関しては、随分少ないと思われると思いますが、会社によってそれぞれ違うので、テスト課題の最低限のものだけを記しました。

木型製作、製甲、パターンデザインは基本的にマイスターの仕事であって、ゲゼレ(職人)の仕事の範疇ではないので、学外実習の時に少し理論と実技を学ぶ程度です。

昔は製甲職人も一つの職業としてあったのですが、今は職業訓練的には『整形靴職人・製甲専門』となっているので、会社での仕事が製甲ばかり、という人もいます。

まとめ

いかがだったでしょうか?

学べる内容だけでドイツに来て職人資格を得る価値があると感じられたでしょうか?

ドイツで職業訓練を受けて職人資格を得るメリット:

  • ドイツ語ができるようになる
  • 海外生活が体験でき、色々な文化の違いや価値観に触れることができる。
  • 実際に仕事を通して技術を学ぶので、仕事によってはかなりの数がこなせる。
  • 即戦力になる。
  • 少ないながらお給料がもらえる。(家賃+α賄える程度)
  • 職人資格は国家資格で、EU圏内でも公的に認定されている。
  • 職人不足なので、ドイツ国内ならほぼ100%就職できる

デメリット:

  • 学べる範囲が狭い
  • 日本の学校の内容を網羅しようと思うと、マイスターを目指す必要がある。
    (もちろんお店によってはゲゼレに木型制作をマイスターが教えてやらせたり、とかはあります。)
  • 語学の壁
  • 語学学習期間も入れると職人資格を取るのに4年かかる。

この記事では学校で学べること・習得できる技術、費用や期間にフォーカスして書きましたが、ドイツ生活のメリット・デメリットについてはまた別で書きたいと思います。

ちなみに私はドイツに来て良かった、と思っています!

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