ドイツで会社員として働くメリット・デメリット

職場環境

どんなのがあるかと改めて紙に書き出してみたら、ほとんどメリットしかありませんでした(笑)

これの前の記事「ドイツで整形靴職人の資格を取得する価値」についてメリット・デメリットを書きましたが、ドイツで会社員として働くなら職業訓練を受ける価値はありますね。

整形靴以外の会社は知りませんが、今までドイツで3社で務めてきた経験からメリットを書いていきたいと思います。

メリット

休暇が取りやすい

1年の有給休暇は20〜30日。(20日が法律で定められている最低ラインで、30日としている会社が多いです。)

一年に1〜2回は2週間の休暇を何の気兼ねなく取れます。会社によっては3〜4週間取れるところもあるようです。

ドイツは日本よりも祝日が少ないですし、振替制度もないので、日本で日曜祝日+有給も全部使い切っている人にとってはあまり変わらないかもしれません。

日曜・祝日は必ず休み

日曜・祝日はカフェやレストラン、ガソリンスタンド以外、お店は営業禁止です。

自分が店長でどうしても月曜日までに仕上げないといけないものが・・・!という場合に働く人もいますが稀です。

社員はちゃんと労働基準法に守られている

最近の労働契約書には「10時間までの残業代は雇用主は払わなくても良い」という記載がされていますが、だから皆基本残業はしません。この記載がされて以来、皆「残業」に異様に敏感になりました。。。1分たりとも損はしたくない、と(笑)

それから法律で1日12時間まで働くことが許されていますが、終業時間から次の日働くまで、最低11時間あけることが決められています。

また、1週間の最大労働時間は6✖️8時間= 48時間です。 毎日の労働時間は10時間に延長される場合がありますが、24週間にわたって、平均最大週労働時間である48時間までバランスを取る必要があります。

終業後飲み会などはない

皆、一目散に家に帰ります。準備もめちゃくちゃ早いです(笑)
これは職業学校の時も同じで、みんなやたらと支度が早いです。私がどんなに急いでも負けます。。

社会保障が充実している

失業保険

自分、もしくは結婚相手がドイツで60カ月以上年金を払っていると、ドイツの社会保障を受ける権利が発生します。これは生活保護とか年金の話になるのですが、病気や事故などで仕事ができなくなった場合、年金基金からお金が支給されます。生活保護は「失業保険Ⅱ」という名前がついていて、失業して1年間の「失業保険Ⅰ」の受給期間が終了してもなお仕事につけなかった場合、この「失業保険Ⅱ」に切り替わります。受給期間は無期限です。

病欠は有給から引かれない

病気になって病院に行くと、医師から「終業不能証明書」が発行され、医師が指定したその期間は仕事を休んでも休暇扱いにはならず、健康保険から欠勤した日数の日当が支払われます。

これは、子供が病気になって自分が看病のために休まなければいけない時も同様で、通常なら片親年間10日まで、シングルマザー/ファーザーの場合は年間20日与えられています。
今年はコロナで学校や幼稚園が閉鎖されたりするため、暫定的にその日数が倍になりました。

また、長期入院や病欠の場合も、6週間までは会社から給与という形で満額支払われ、それ以降は保険会社から収入の7割が支払われます。
期間は同じ病気の場合、3年以内に最大78週間給付を受けることができます。 これは、最初の就業不能証明書が発行された日から計算されます。 雇用主が賃金を支払い続ける期間も計算に含まれます。

時短労働

コロナで打撃を受けた会社が社員を解雇するのを防ぐため、また会社員の生活が脅かされないように、時短労働で減ってしまった時間数の67%を失業保険が補填してくれます。
つまり、週40時間働いていた人が週20時間しか働けなくなった場合、会社が実質働いた20時間分の給与を100%払い、残りの20時間分の67%が失業保険から支払われる、という仕組みです。
この失業保険から支払われた分には所得税が引かれてないので、年末調整で払わないといけないようです。。。

デメリット

給与額やその他条件は人によって違う

何事も交渉次第です。遠慮して言わないと会社の都合のいいようにされてしまいます。

交渉のタイミングも自分で測っていかないといけません。

大きな会社ですと、一年に一回、そういう話し合いの場が設けられていたり、労働組合が勝手に会社側と交渉してくれて給与が上がる、なんてところもあるそうですが、整形靴店は規模の小さいところが多いので、そんなことは起こりません・・・

私は苦手なのでデメリットに入れました。

何かにつけて議論になる

これも私が苦手だから、何ですが・・・

自分がマイスターになって人に指示を出すポジションになると余計なのですが、部下は基本素直に言うことは聞きません。
文句を言いながらもやる・・・前にかなり議論をして納得させる必要があります。屁理屈言ってきたりもするので、かなりエネルギーが入ります。言葉のハンディもあるとかなり辛いですね。。

効率性重視

「採算が取れなければ仕事ではない」というのが経営者の基本的な考え方です。

それは経営者が職人であっても、です。

なので日本の職人の「丁寧さ・きちんとした仕事」よりも「早さ」を求められます。

これがこれが良いところでもあるのですが、肌に合わない人も日本人には多いかもしれません。

なのでデメリットのところに書きました。

税金が高い

独身者の場合、給与から所得税・社会保障費が引かれると、手取りは額面金額の約60%になります。。。

退職金制度はない

長く勤めても会社からは基本何も出ません。

これも交渉すると出る場合があるそうです。

メリット・デメリットは人によって感じ方も違うと思いますが、総合的に雇われて働くならドイツの方が快適に感じます。

今はコロナで大変で、先行きも不透明ですが、基本整形靴職人は不足しているので、職探しにはあまり苦労はしないようです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました