職業訓練2年目

職業訓練

職業訓練2年目の私の業務内容を1例としてまた紹介します。

職業学校は相変わらず週2日。

1年目の業務内容

  • インソールの上敷き+裏張り接着
  • 既成靴の修理・加工の下処理で削られたソールの接着
  • 石膏バンドでとった足型に発砲樹脂を流し込み、足形を取り出し、爪先を付ける

これに加えて、職人が簡単そうな靴の修理や加工があれば回してくれて、一人で最初からやらせてもらえるようになりました。

やっと整形靴職人らしい仕事!

最初に職人に片方をお手本として見せてもらって、もう片方を同じようにやる、というスタイル。

一番初めにやらせてもらったのは、最も注文の多いローリングソー
外反母趾や中足骨炎など、前足部に問題がる人に行われる加工です。1cm以上の脚長差補正を行う場合も同じように足運びがスムーズに行われるように施されます。
私が職業訓練をしていた時は中間試験の課題でもありました。

次にフットベット制作の下準備

今となってはクラシカルな手法になってしまいましたが、革をラストの足裏部分にシワが無いように釘で止めて張る作業で、吊り込みと似ています。
それをベースに症状に合わせてマテリアルを積み上げて削ってオーダーシューズの「中身」を作っていきます。削る作業はマイスターがやるので私は最初の皮張りと積み上げ(接着)作業だけでしたが。
ワニと呼ばれるペンチで指先をしょっちゅう叩いてしまい、痛かった〜

それからチェックシューズ制作

1mm程の厚さの透明プラスチック板とVactermという真空成型機を使って木型とフットベットを合わた透明なチェックシューズ を作り、ヒールも付けて、制作した木型が足に合っているかどうかを確かめます。

このような感じで、2年目からは掃除をする時間がぐんと減ってかなり忙しくなりました。

社外では、2週間「会社間研修」という名の合同研修がハノーファーにある整形靴技術連邦専門学学校で行われました。

内容は

  • これまで習った理論の復習・確認
  • フットベット制作
  • コルクレザーインソールの削り方
  • 医療フットケア
  • ラミナート技術を使った内底靴制作

など、だったと思います。何せ15年程前の話なので。。。また今の職場にいる職業訓練生から体験談を聞いて更新していきたいと思います。

この合同研修参加は義務です。会社側も職業訓練生をこれに参加させる義務があります。この研修の参加証明がなければ、2年目の終わり頃に行われる中間試験が受けられない→最終の職人試験も受けられない!ということになります。

他には職業学校のクラスで遠足があり、「靴職人博物館」と靴メーカー「LLOYD」の工場見学に行きました。
博物館、と言っても個人の所有の小さな家で、1950年当時までの工房が再現されている、というもので、自分の工房にもある道具や備品が見られたりしました。
2017年に閉館してしまったようです。(Schuhmacher Museum U Wibbeler

靴職人博物館では古いハンドメイドを、LLOYDの工場では現在のハンドメイドを見られて興味深かったです。
先生の「何を持ってハンドメイドとよぶのか」という疑問の投げかけが今でも心に残っています。

LLOYD工場風景1
LLOYD工場風景2

最後に1年目のところにも書いたのでここでも2年目の給与について。

620€ (手取り: 496€)

15年で随分と上がったもんだ。。。(遠い目)

コメント

タイトルとURLをコピーしました