下の写真は足部切断により足の付け根の関節がなくなってしまった方が履く内底靴。
(ドイツ語はInnenschuh / innen=中・内側 Schuh=靴)
今から二十年くらい前まではかなり頻繁にきた仕事の一つ。
健康保険ではなく、主に社会保険が費用負担者となっていた案件がほとんどでした。
なぜなら
「戦争により負傷し、足の一部を切断」
という人が多かったから。
今はもうその方々はお亡くなりになったか、歩けるほどお元気でないのか、依頼件数も激減しました。
今では内底靴ではなく、整形靴と一体で作ることがほとんどですが、マイスター試験の課題としては残っています。
外観は写真のような感じです。
これ自体が靴のようにみえますが、足に装着して、普通の靴を履きます。
上の内底靴の断面図は下のような感じ。
(3は描く必要のないものでした。間違いを講師に黄色い紙で指摘されています(汗))
作るのに結構な手間のかかるものです。
内底靴が廃れていった原因は、
- フルオーダーの整形靴が手縫いではなく、接着で作られるようになり、大幅に制作時間が減った (=コストがかからなくなった)
- 整形靴もデザインや色のバリエーションが増えて、見た目も既成靴と同じようにできるようになった
ということと思われます。
下の図は整形靴と一体のタイプです。
着脱は足のみで中身は出てきません。(取り外しは可能)
実物はこんな感じ↓
中にこのようなフットベットが入っています。
どちらのタイプもMP関節(足指の付け根)が曲がるように柔らかいマテリアルが使用されています。
ちなみにこの靴とフットベットは一番上の写真の足の方に作らせていただきました。
(マイスター学校では患者さんの足をラストとは別に石膏バンドで型取りをし、石膏で足を再現するという作業がありました。これも実技テストの一つになります。)
義肢装具だと、もっと違った形で装具が作られると思います。
これは整形靴からのアプローチの例です。
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